林:ええ、ええ。
長塚:それがまたすごいのだけど、この人たちに熱がポッとともると、もっとすごいものができていく。そこへの興味は強烈にあります。
林:なるほど。ぜひ何か歌舞伎の新作をやっていただきたいですよ。
長塚:そうですね。いつかやってみたいですね。
林:勘三郎さんがもうちょっと長生きしてたら、きっと「何か新作、頼むよ」とおっしゃったでしょうね。
長塚:そうかもしれませんね。
林:ぜひお願いします。私、歌舞伎大好きなんです。でもこの前、歌舞伎座の昼の部に行ったら、ちょっと寝ちゃいました(笑)。歌舞伎座で寝るのって気持ちいいんですよ。三味線の音が心地よくて。
長塚:劇場って寝るとけっこう気持ちよくて、狭い劇場の最前列近辺ぐらい、眠くなるところはないです(笑)。僕、宮沢りえさんが田中泯さんと踊る、たしか2日間限定の企画を見に行ったとき、席が前から2番目で緊張しすぎて寝ちゃいました(笑)。期待と緊張で眠くなっちゃう。
林:私、オペラは緊張して見るけれど、寝たことはないですよ。シモキタ系も寝ないです。帝劇とかシアターコクーンは安心して眠れちゃう。おばさんが多いし、「眠ってもいいよね」みたいな感じで(笑)。
長塚:ただ、自分たちが舞台の上にいるときは、「あの寝てるやつヤバいから、あいつの前で大声を出して起こせ」とかやってますよ(笑)。勘三郎さんもそうおっしゃってました。「大事なところを見ないで弁当食ってるやつとか、寝てるやつがいると、俺はそばに寄っていって大声を出すんだ。今から見どころがあるんだから」って。
林:皆さん、舞台の上でそんなことを考えてるんですね。私も今度から気をつけたいと思います(笑)。
長塚:このあいだ僕、常盤も一緒に、北条秀司さんの「王将」という舞台を3部作でやったんです。50人ぐらいのキャパシティーの楽屋もないような狭いところでしたが、前のほうの席の人が何人も寝るんですよ。