1986年、俳優・奥田瑛二とエッセイスト・安藤和津夫妻の次女として生まれた俳優の安藤サクラが、映画「万引き家族」が日本映画として21年ぶりにパルムドールを受賞したカンヌ国際映画祭に出席。5月14日に、フォトセッションに現れた姿を、ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。
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スカーフを腰からぶら下げたみたいな裾フレアのワンピース。それもトルコのイズニックタイル柄って、あんまり見かけないよね。そこにスタンドカラーのレザージャケットを羽織って、とどめの一発は足元だよ。靴のデザインが凝りに凝ってる。とにかく一度見たら忘れられないくらい、チャレンジングな靴だと思うな。
ま、それぞれのアイテムは面白いけど、全体のバランスはといえばイマイチ。決してかっこいいとは言えないよね。でもさ、彼女は乗りに乗ってる女優で、ここは世界的な映画祭の会場。普通じゃない人が普通じゃない場所にいるんだから、誰もが思いつくようなオシャレをする必要なんて、ひとつもないんだよな。
それに今は、安いものを、手短なところで、かっこよく着るのがよしとされる時代。凝りに凝ったものを、苦労して、失敗上等で着ている彼女とは、真逆なんだよね。ファッションを通して自分を奮い立たせる。そんな闘う女優と見たね。今どき珍しいタイプだよ。みんなこうだと、芸能界もずっと面白くなるんでしょうが。
(構成・福光恵)
※週刊朝日 2018年6月1日号