・スチール・パンを叩く

議長「? なんだそれ? ……あー、一時期やってみたいって言ってた? デカイ鍋みたいな、ティンパニみたいな打楽器? 叩くと『ピャァ~ん』っていい音するけど、防音設備もないし置く場所がないか」

・ブーメランを投げる

議長「これもこないだブーメラン販売店のサイトとか見てたけどなぁ。ブーメランってキャッチできるとめちゃめちゃ気持ちいいらしい……けど同じく投げる場所がない!」

 A委員が「あのー……山登りとかどうでしょう?」と遠慮がちに切り出す。とたんに「バカ言うな!」「やるわけない!」「休みがない!」の集中砲火だ。

議長「まぁ、落ち着いて! わけを聞きましょう。Aさん、何ゆえ山登りなどと?」

A「高尾山くらいならこの人でも大丈夫だと思うんです。半日あれば十分ですし。スケジュール的にもほら、この日なら……」。カレンダーを見て納得する一同。なかには「高尾山など山ではない!」という過激な意見も出たが、なんと賛成多数で次のリフレッシュは『高尾山』に決まった。

 GW中に私は高尾山に登ります。何故かって? 理由は上記のとおりですよ。その次は『ブーメラン』と内々に決まってるそうです。レッツ・リフレ!

週刊朝日 2018年4月27日号

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春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/落語家。1978年、千葉県生まれ。得意ネタは初天神、粗忽の釘、笠碁、欠伸指南など。趣味は程をわきまえた飲酒、映画・芝居鑑賞、徒歩による散策、喫茶店めぐり、洗濯。この連載をまとめたエッセー集『いちのすけのまくら』『まくらが来りて笛を吹く』『まくらの森の満開の下』(朝日新聞出版)が絶賛発売中。ぜひ!

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