伝説の解散コンサートから40年。キャンディーズの「私たちは、幸せでした」という最後の言葉を、昨日のことのように思い出せるファンは多い。長年多くの人を引きつける魅力は、どこにあるのか。
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4月4日、「キャンディーズ・フォーエバー~伝説から40年~ファン・全員集合!」というイベントがあった。場所は、1978年4月4日に解散コンサートがあった旧後楽園球場の近くのライブハウス。50代以上の男性を中心に約70人が集まった。中には若い世代や女性の姿も見られた。
会場では巨大なスクリーンに解散コンサートの様子が映し出された。40年前の映像だが、ライブ中継のように大きな拍手がわき、さっそく紙テープを投げる人も登場。曲が進むにつれ熱気は高まり、メンバーの名前(伊藤蘭=ラン、田中好子=スー、藤村美樹=ミキ)が連呼される。まるでそこに本人たちがいるかのような雰囲気になっていた。
こうしたイベントに限らず、ファンの集まりは途絶えない。横浜市南区のバー「ベズレコード」では3月末に、熱狂的なファン10人近くが顔をそろえた。マスターの阿部光宏さん(63)はこう語る。
「もう40年も経っちゃったのか、という思いだね。20代の前半はキャンディーズのライブに通いつめていた。この店を始めて12年だが、最初は洋楽をメインで流していた。2008年の解散30周年のころからキャンディーズにシフト。秘蔵のグッズも飾って、ファンが来る店になった。10年後もみんなで集まりたいよね」
バーに来れば知らない人同士でも、キャンディーズ関連の話題で盛り上がることができる。
「解散当時は10歳でしたが、そのときからミキちゃんがずっと好きです。10年くらいこのバーに通い続けています」(50歳の男性)
08年の解散30周年のときにも約2千人が集まるイベントがあった。主催した「全国キャンディーズ連盟2008」のメンバーで著述家の石黒謙吾さん(57)は、変わらぬ思いを語る。
「今年は大きなイベントはやりませんが、40年経っても思いは同じというか、ますます強くなっています。彼女たちは全然気取ったところを感じさせず、テレビ番組のコントでも一生懸命取り組んでいました。向こうは甲子園に選手として出てて、こちらはスタンドで応援している、そんな感覚でした。そういう気持ちをいつまでも反芻できている自分がいるし、みんなもそうなんじゃないでしょうか」