国会が森友文書改ざん問題で揺れる中、“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、日銀の黒田東彦総裁に出口戦略について質問した。その答弁への疑問点を明かす。
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国会議員の活動評価などをするNPO法人「万年野党」(理事長=宮内義彦オリックスシニア・チェアマン)から、「三ツ星国会議員」の表彰を3月14日夕に受けた。質問回数・時間、議員立法の数、質問主意書提出の回数から「よく働いた野党議員」を選ぶそうだ。
田原総一朗会長、竹中平蔵・アドバイザリーボードメンバーもご出席され、大変な名誉だと思う。衆参各5人のうちの1人だが、内容でも評価されたいな~。
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同じ3月14日の昼、参議院予算委員会で日本銀行の黒田東彦総裁に、出口戦略についてお聞きした。国会で公文書の書き換え問題が盛り上がるさなかだけに、「空気を読めないところがフジマキさんらしくていいな~。でもこういう議員も一人くらい必要だね」とテニス仲間のHさん。書き換えは極めて由々しき問題だが、重大な問題は他にも山積する。並行して論議を尽くすべきだと思う。
今の日銀は異次元緩和で民間銀行から国債を買い、銀行が日銀に持つ当座預金(当預)の口座にお金を振り込んでいる。このため、バランスシート(BS)の資産側に国債が、負債側に日銀当預が積み上がっている。日銀は米連邦準備制度理事会(FRB)と同様に、当預残高への金利を引き上げられるのか。委員会で黒田総裁に尋ねた。
総裁の答弁はこうだ。
「出口に当たっては、金利水準の調整や拡大したBSの扱いなどが課題となる」「超過準備に対する付利金利の引き上げなどで対応していくことが考えられる」
ただ、日銀が持つ国債の利回りは2016年度上期に0.332%で、国債利息収入は6284億円。年約1.2兆円に過ぎない。
一方で、FRBの保有債券の平均利回りは17年1~9月に約2.6%で、債券関連損益は約850億ドル(約10兆円)になる。十分な収入があるから、当預への付利金利を引き上げても、収支は余裕がある。