「それが自殺したAさんで、最終的に改ざんをさせられた。かなり上のレベルから指示があり、削除する作業を何度も何度もやらされた。近畿財務局では森友を『総理案件』と呼び、Aさんは書き換え作業で本省に連絡をとって深夜まで帰れず仕事をしていたようです」(別の近畿財務局関係者)
Aさんは亡くなる前、家族に向けた数行の遺書と、パソコンで作成されたA4用紙に5~6枚のメモを残したという。
「決済文書の調書が詳しすぎると、書き換えさせられた」「首謀者は佐川局長」などと書かれていたと報じられた。
野党6党が国会で開いた合同ヒアリング(3月15日)で財務省と警察庁の官僚を前に、柚木議員はこう詰め寄った。
「財務省近畿財務局や当局がどこかに遺族をかくまい、遺書を公表しないようにしているということはありませんか」
この質問に財務省担当者は「答えられません」と言うばかりだった。
財務省理財局国有財産業務課の30代のB係長も1月29日、自殺していた。理財局は本誌に対し、森友学園に関係する仕事はしていなかったと説明したが、真相は不明のままだ。
「理財局の同じラインではあると思います」(柚木議員)
東京に雪が降った日、Bさんが亡くなった都内の寮へ行くと、近所の人がこう話した。
「ここは財務省の独身寮で男性の方が住んでます。独身といっても、若い職員だけでなく、けっこう年齢のいった職員もいますね」
寮から出てきた数人の職員に話しかけたが、両耳にぴったりイヤホンをして応答しなかった。箝口令が敷かれているのか。
「今回の改ざん命令は究極のパワハラですよ。自殺ドミノになりかねない」(同前)
Aさんの父親は本誌の取材に対し、「うちの息子は何も悪いことをしていない。なのに、なぜ、こんなことになったのか」と怒りを込めて言った。
一方、昨年夏から約8か月間、獄中にいる籠池前理事長は拘置所内でラジオや新聞で情報収集し、「決裁文書改ざんを知った時はびっくりした」という。
3月23日に籠池被告と45分間、接見した今井雅人衆院議員(希望の党)と宮本岳志衆院議員(共産党)らはその内容を記者団にこう明かした。