「初任給が高いのは、長時間労働が前提になっていることがある。違法なサービス残業をさせるブラック企業も少なくない。平均勤続年数や採用数などから、人を使い潰している企業かどうか見極めよう」

 大学生の就職への意識も変わりつつある。就職みらい研究所の岡崎所長は、就職活動を進めるにつれて給与の優先順位は下がっていくという。

「ワーク・ライフ・バランスを気にする学生が増えた。体を壊したくないという意識が高まってきている」

 報酬よりも自分の生活スタイルを重視して、仕事選びをしている人が多いようだ。

 マイナビの吉本編集長は最近の学生についてこう見ている。

「給料が第一より、自分のやりたいことや、スキルアップができるかどうかを大切にしているのではないか。社員をどれだけ大切にしているか、社風や人間関係の良さを気にしている」

 それに対応して企業側も有休消化率などを積極的に公表し、「ホワイト企業」だとアピールするようになっている。

 初任給が高いからといって、それだけに目を奪われると失敗するかもしれない。一生につながる就職先選び。じっくり考えて決めたいものだ。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2018年3月30日号

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