企業の合同説明会。今年も売り手市場で企業側は人材確保に必死だ (c)朝日新聞社
企業の合同説明会。今年も売り手市場で企業側は人材確保に必死だ (c)朝日新聞社
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初任給の高い主な企業(週刊朝日 2018年3月30日号より)
初任給の高い主な企業(週刊朝日 2018年3月30日号より)
大卒初任給の推移(週刊朝日 2018年3月30日号より)
大卒初任給の推移(週刊朝日 2018年3月30日号より)

 来春卒業する大学生の採用活動が、3月1日から本格化している。人手不足のなか学生に有利な「売り手市場」だ。入社後すぐに月給30万~50万円を出す企業もある。ただ、実力次第なので、初任給が高くても将来思ったほど報酬を得られないかもしれない。

【図表でみる】初任給の高い主な企業はこちら

 まずは初任給が高い主な企業を見てもらいたい。最高額が月50万円とひときわ目立つのが不動産開発の「日本商業開発」。自社の新卒採用サイトではこう強調している。

「基本給が高く、成果に対しては報酬がたっぷりと支払われます。2016年度の営業部門の平均年収は2141万円。初任給は年収600万円、別途住宅手当として月10万円の支給を予定しています」

 月給50万円と言えば、大企業の課長がもらうような金額だ。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると大卒の初任給は20万円前後なので、一般水準よりも突出している。日本商業開発の業績は好調で、優秀な人材を確保したい狙いがありそうだ。

 ほかにも買収・合併(M&A)の助言・支援などを手がける「GCA」は37万5千円。遊園地やゴルフ場などを運営している「グリーンランドリゾート」は34万700円。

 スマホ向けゲームの企画・開発の「KLab」は、採用サイトで「才能さえあれば、学歴も、経歴もまったく関係ありません」とうたっている。総合職と技術職、デザイナー職に分けて募集していて、初任給は技術職が32万円で、その他は30万円となっている。

 画像認識技術の「モルフォ」は30万8千円で、福利厚生にも力を入れる。採用サイトによると、誕生月の好きな日に休暇を取得できる「バースデー休暇」がある。プライベートで携帯電話を購入すると、上限2万円まで会社が支給するという。

 こうやって見ていくと、設立時期が新しい情報技術(IT)やネット関連の新興企業が並ぶ。従来の企業では、初任給は低いが年齢に従って上がっていく「年功序列型賃金」のところが多い。これに対し新興企業では、最初から思い切った月給を出せる。IT技術者の人手不足が深刻で、人材の奪い合いが起きていることも初任給アップにつながっている。

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