古川元久氏 (c)朝日新聞社
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森友学園問題の一連の流れ(週刊朝日 2018年3月23日号より)
森友学園問題の一連の流れ(週刊朝日 2018年3月23日号より)

 衆院議員で元大蔵官僚である古川元久氏が、今回の森友問題の文書改ざんについて、その元凶を分析した。

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 森友問題での財務省の文書改ざんについては、財務省や理財局だけでは判断できないとみている。前理財局長の佐川さんだけの単独の判断ではないだろう。まさに犯罪行為ともみなされ得るようなことをしたのだから。官邸が関わっていたのではないだろうかと思っている。誰かの指示があったのか、あるいは相談があったのか、それはわからないけれども。

 安倍さんは国会で、自分は森友問題に関係していないという趣旨の答弁をしている。その答弁の内容にすべてを合わせるようになっていったことが、一連の問題の要因として大きいのではないか。

 森友問題と似たようなところがある話として、政府が対象の拡大を目指している裁量労働制をめぐる問題もある。労働時間の調査に関して不適切なデータがあったと厚生労働省が最近、認めている。

 このケースでは、官邸の意向にかなり無理をして応えるというようなことがあったのではないか。

 各省庁の幹部人事については、安倍政権になって官房副長官が局長を務める内閣人事局が担当するようになった。この組織の運用の仕方が問題。

 本来は紙などを切る道具のハサミも、使い方によっては凶器にもなる。

 安倍首相のお友達や奥さんが関係していて、かなり無理筋の話をその意向に合わせるようにするというのは、もしかしたら人事に影響があるかもしれないと官僚に思わせるようになっていたとも考えられる。

 一連の問題に対して、安倍一強という構図が大きな影響を与えてきたということはあるのだろう。

(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2018年3月30日号