当の稲村は13日に所属事務所の公式サイトで「ご心配の声を有難くお受けする一方、事実と異なる情報も飛び交っており、困惑もしております」と心境を明かし、“痴漢騒動”については「ネットで一人歩きして書かれてるいような事(痴漢行為)は、ありませんでした」(原文ママ)。
でも、なぜ中学生たちがこのような行動をとったのか。精神科医の香山リカさんは次のように分析する。
「『そうしたい』というよりは、『後れをとってはいけない』という感じで『我先に』となったのかもしれない。この件が当てはまるとは必ずしもいえませんが、心理学では、普通の人が集団心理で簡単に変わってしまう『ルシファー効果』が有名です。例えば、良識のある人なのに、皆がいじめをしていると同調してしまう。集団の中でどこの誰かがわからない状態となると、急に悪人に豹変してしまう側面が人間にはあるのです」
年頃に特有の性欲が原因という見方は否定した。
「特に性欲を掻き立てる服装でもなかったわけで、遠くの人は姿は見えなかったでしょう。同調したいという意識が強くなって集団パニックのような状態に陥ったのかもしれません」
ハプニングに巻き込まれた稲村だが、21日にナゴヤドームでの女子プロ野球開幕戦の始球式に登場予定だ。
(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日 2018年3月30日号