麻生氏も籠池氏の写真。土日右は籠池氏の長女・町浪氏(菅野完氏提供)
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森友学園問題の一連の流れ(週刊朝日 2018年3月23日号より)
森友学園問題の一連の流れ(週刊朝日 2018年3月23日号より)

 “最強の官庁”が瀕死の状態だ。森友学園の決裁文書を改ざんした問題で、霞が関の官庁街でも超エリート集団である財務省の信頼は地に落ちた。

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 公文書管理法に詳しい右崎正博・獨協大学名誉教授が言う。

「これは大蔵省接待汚職のような単なるスキャンダルではない。行政に対する信頼が根幹から揺らいでいる。公文書管理や情報公開について無知、無理解もここに極まれりです」

 佐川氏は国会で野党の追及の矢面に立ち、非難を浴びながらも安倍政権の盾となってきた。その論功行賞人事で昨年7月、国税庁長官に“栄転”したが、文書改ざん問題で辞任に追い込まれた。

 麻生財務相に今や「佐川が」と呼び捨てにされ、すべての責任を押し付けられた格好だ。

 文部科学事務次官だった前川喜平氏のように、証人喚問で逆襲に出て、霞が関の意地を見せることはできるのか。旧大蔵省出身の竹中治堅・政策研究大学院大学教授はこう言う。

「本当に財務省理財局だけの判断だったのか、今後は丁寧に説明していく必要がある。国会答弁は局長の判断ですることもあるが、今回の真相は本人でなければわからない。佐川氏は最初の答弁で、事前交渉を一切していないと発言したが、最初から最後まで話のつじつまが合う答弁をしないと、こうして後々に響く。政権が政治的圧力はないと言って、世間が理解するのかがポイントだ」

 財務省の調査によると、当時の飯塚厚理財局次長(現関税局長)ら18人が決裁に関わったという。財務省中堅官僚がこう嘆く。

「今回は昭恵夫人のご意向を過剰に忖度したうちの“自爆”でしょう」

 近畿財務局はもともと森友への国有地売却に乗り気ではなかったが、昭恵夫人の名前が出て状況は一変した。本省理財局にお伺いを立てた結果、“格安”で売却することになった。

 近畿財務局が交渉の経過をあれだけ克明に文書に残したのは、後で何か問題が起きたときにきちんと説明ができるよう自己保身の意味もあったという。

「昨年2月の問題発覚後、内容を知った理財局が仰天し、慌てて書き換えさせたので、ボロが出たというのが真相ではないか」(同前)

 では、財務省が昭恵夫人を過剰なまでに忖度した動機は何だったのか。

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