平昌オリンピックのカーリングで日本初の銅メダルを獲得した女子日本代表「LS北見」。快進撃とともに注目を浴びたのが、ハーフタイム中に軽食をつまむ「もぐもぐタイム」だ。
メンバーらがおいしそうに食べているお菓子は「何?」と注目された。
それはチームの地元である北海道北見市の銘菓「赤いサイロ」だった。1935年創業の菓子店「清月」が販売するチーズケーキで、北海道の食材をふんだんに使っている。銅メダル後、清月には注文が殺到。現在、一時的に受注を止める事態に。渡辺主人(もんど)社長は嬉しい悲鳴だ。
「全国から連日注文がきて既に千件は超えています。生産が追いつかず、順次対応はしているのですが、届くまで3カ月以上は見て頂いたほうが良いです」
北見市の直販店では、数量限定で販売を行っているが、連日早朝から購入希望者が並んでいるそうだ。
赤いサイロに対する反響は、市役所にも及んだ。北見市のふるさと納税返礼品の一つに、赤いサイロがあり、LS北見の快進撃を受け、ふるさと納税をする人が殺到したのだ。
北見市役所地域振興課の担当者は驚きを隠せない。
「オリンピック直前までは、ふるさと納税の申し込みは1日10~20件程度でした。返礼品も赤いサイロ目当てというわけでなく満遍なく申し込まれてましたが、カーリング女子が銅メダルを獲得した翌日には約300件の申し込みがあり、大半が赤いサイロでした」
2月25日から28日の4日間で計900件のふるさと納税の申し込みがあり、赤いサイロへの申し込みを当面ストップすることになった。ホッケ、ホタテの貝柱など他の返礼品は引き続き申し込み可能だ。
赤いサイロだけでなく、もう一つ注目を浴びたのが地元・常呂神社の「カーリングストラップ付きおみくじ」だ。カーリングのストーンをモチーフにしている。2月3日に藤澤五月選手らチームのメンバー、コーチ、監督が必勝祈願にやってきた際に、三角和之宮司が渡した。可愛らしいデザインということもあり、ストラップ欲しさに連日神社へ来る人が増えたという。現在は品切れで、4月上旬から中旬をめどに再開する予定だ。
LS北見の快進撃がもたらした思わぬ特需は、当分続きそうである。(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日 2018年3月16日号