前述の予算委で、江田議員はさらに、官邸訪問から5日後の4月7日、安倍首相が加計孝太郎理事長と会ったかと質問すると、安倍氏は「会っております」と認めたが、獣医学部新設の話は出なかったと答えた。江田議員は、自らも橋本龍太郎首相の秘書官をしていた経験からこう語る。
「市の課長クラスが官邸で首相秘書官と会うのは異例で、柳瀬氏が覚えていないはずがない。『記憶にない』とは会ったと言ってるようなもの。秘書官ならばその後、総理が腹心の友である加計氏と会うことも当然把握していたはず。面会したことについて事前に総理の耳に入れておくのは秘書官の責務に等しい。『加計学園が獣医学部の新設を申請しているのを17年1月まで知らなかった』という総理の国会答弁は、どう考えてもおかしいのです」
本誌は加計学園に、前出の3人が面会に同席したのは本当か問い合わせたが「今後も御社からの質問、取材への対応は控えさせていただきます」と取材拒否。
吉川氏に電話で問い合わせたが「記憶にないですね」と、途中で切られてしまった。官邸を訪問するという稀有な出来事がそう簡単に記憶から消えるのか。不思議としか言いようがない。(本誌・小泉耕平)
※週刊朝日 2018年3月2日号