「注目の若手イケメン俳優」として紹介されることが多く、どこか“王子様”的なイメージがある。だが、映画「坂道のアポロン」で演じるのは、不良だがジャズドラムに熱中する千太郎。中川大志さんにとって新境地となる“野性的”なキャラクターだ。
「ここまで髪の毛を短くしたのも、役作りに時間をかけたのも、初めてかもしれません。撮影の10カ月前からドラムの練習を始め、ジムでの体作りや方言の勉強もしました。どこまでお客さんに伝わるかはわかりませんが、やったことは嘘をつかないと思っています」
俳優デビューは11歳。13歳で大ヒットドラマ「家政婦のミタ」に長男役で出演し、一気に注目された。
「右も左もわからず、ある意味ピュアにやっていたあの頃の芝居は、もうできませんね。感覚的なものだけでは、立ち止まってしまう。恥ずかしながら、今さら“演劇論”的な本を読んだりして、自分のやり方を模索しています。もがいています」
現在19歳。「演技に対する思いや面白さは、どんどん深くなる」と語る。新たなステージに向かうための挑戦が、始まっている。
(本誌・野村美絵)
※週刊朝日 2018年2月23日号