■原田真二 番組初の2曲同時ランクイン
「本気、本物の歌番組だと感じた」
ベストテン史上初の2曲同時ランクイン(「キャンディ」と「シャドー・ボクサー」)を果たした原田真二さん。愛らしいルックスでピアノを弾く姿に、女子中高生が大熱狂。黒柳さんがつけた愛称は「ビーバーちゃん」だった。
「当時、19歳ですから、そう呼ばれるのは恥ずかしかった。僕はロックをやりたかったから、テレビの世界の華やかさというのは、あまり快適なものではなかったですね(苦笑)。
でも、ベストテンは、出演前から『音がしっかりしている番組だ』と聞いていた通り、ほかの音楽番組にはなかったミキシングコンソールやモニターなどの音響機材が揃っていて、スタッフのみなさんが音楽を大事にしている感じがよかったです。また、僕はライブの演出も自分でやっていたので、ベストテンの豪華なセットを見ながら、自分のステージに使えるな、とか、完全にプロデューサー目線で見ていましたね。
黒柳さんや番組スタッフの人たちとの縁はその後も続いていて、声をかけてもらうこともあって、今でもすごく感謝しています」
日本の音楽界に衝撃をもたらしたアーティストたちによって、番組は伝説となった。
(取材・文/沖田十二、本誌・伏見美雪)
※週刊朝日 2018年2月9日号