世の中にはさまざまな健康法が紹介されているが、医師たちはどんな健康法を実践しているのか。本誌では50人の現役医師に調査した。
聖路加国際病院の名誉院長で105歳まで人生を全うした故日野原重明さんに影響を受ける医師も多い。
同病院QIセンターの水野篤副センター長は、日野原さんのあるがまま生きていく強さ、人生の使命感を感じながら、常に周囲に感謝をし、言葉を大切に生きていた姿が忘れられない。
「詩的な方でした。思い出されるのは色鮮やかな言葉の数々。庭に咲いている花一つとっても、感激し、美しい言葉にしていました」
聖路加国際病院の河津晶子・人間ドック科医長も言う。
「『この花はいいねぇ』。これが最後に聞いた言葉でした。お亡くなりになる1週間ほど前、ご自宅のベッドの横にあった花の絵を見てぼんやりそうおっしゃっていました。その一方で『リハビリする!』とおっしゃって、ベッドの上で足を動かされていたんです」
生前、緩和ケア病棟の患者に「ちゃんと感謝を伝えなさい」といつも言っていたという。「まさにそれを実践されて逝かれました」(河津医長)