オタクの聖地・秋葉原に近い神田明神は、近年さまざまな漫画やアニメとコラボし注目されている。いまは週刊少年ジャンプ連載中の「ぼくたちは勉強ができない」のキャラが描かれた絵馬を授与している。大学受験に関わる漫画で、神田明神で広報を務める岸川雅範さんは「受験生をはじめ、若い方々にいただいてもらいたいですね」と話す。
受験生におなじみのキャラが見守ってくれるので御利益も期待できそうだ。
「砂」のお守りもある。線路にまく滑り止め用の「すべらない砂」を複数の鉄道会社が配っている。
京阪電鉄では、「スベリ防止砂『勝利を砂(サ)ポート』」を05年から配布している。京都市と大津市を結ぶ大津線では急勾配区間があり、この滑り止めとして使用するもの。合格するとポストに砂を返却し、次の年に受け継ぐ伝統が10年以上続いている。同社広報は「毎年砂だけでなく、受験生やその親御さんからのお手紙まで入っている。今後も続けていきたい」と話す。
砂は空の世界でも使われている。全日空では1月24日まで、羽田空港で「すべらない砂お守り」を配布する。整備士がねじを回すときに、工具の先に滑らないように付着させるもの。「今年は羽田空港に太宰府天満宮の特大絵馬も設置する。二つの御利益で受験に臨んでほしい」(同社広報)
相模鉄道を運行する相鉄グループは、ゴルフ場のバンカーの砂を売り出した。バンカーは五角形をしており“合格”につながる。コース上に巧妙に配置されていて、ボールが「嫌でも入ってしまう」バンカーと言われている。洒落(しゃれ)っ気(け)もあり、受験生も和むかもしれない。
縁起が良いとされる駅名が入った切符も、いろんな鉄道・バス会社が扱う。
受験では精神的な余裕の有無が成否を分けることもある。駿台予備学校を運営する駿河台学園広報課の中村聡明課長はこう話す。
「日頃の努力が大事なのはもちろんですが、最後は自信を持てるかどうかも勝負。自分の使い込んだ参考書やノートをお守り代わりにする受験生も少なくありません。自信を持つ方法になるのなら何であれ、大いに活用すべきでしょう」
もちろんお守りなんて信じない、実力が全てという人もいるだろう。それぞれに合ったやり方で自信をつけ、乗り切ってほしい。(河嶌太郎)
※週刊朝日 2018年1月26日号