高齢期はやせすぎに要注意だという。体重と身長の関係から肥満度を示す指数BMI(注)で、20以上を保つように意識しよう。それ以下だと、低栄養になる。転倒や骨折をしやすくなり、要介護になるリスクが高まる。


※注:BMI(Body Mass Index、体格指数):やせや肥満の程度を示す指標で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算する。22が理想的な体重の目安とされる。

 年をとるほど、小食になりがち。少量でもバランスよく食べる意識を高めるよう、健康長寿医療センター研究所は、食生活のガイドライン「食品摂取の多様性スコア」を考案した。

 肉▽魚介類▽卵▽大豆・大豆製品▽牛乳・乳製品▽緑黄色野菜▽海藻類▽芋▽果物▽油の計10種の食品群で、毎日の食事をチェックする。1日1回とれば1点と数え、10点満点に近づける食事のバランスを意識する。

 例えば、朝食がごはん、焼き魚、卵焼き、わかめ入りみそ汁ならば、計4点。昼食や夕食で、肉や芋類、果物も食べて満点に近づけていくという発想だ。

 こうした食品のバランスをわかりやすく伝えるため、東京都大田区は、「さあ、にぎやかにいただく」という標語のポスターをスーパーなどに配っている。

 さ(魚)あ(油)に(肉)ぎ(牛乳・乳製品)や(野菜)か(海藻)に、い(芋)た(卵)だ(大豆製品)く(果物)。

 高齢者夫婦の暮らしや一人暮らしだと、料理が面倒になり、コンビニ弁当やあり合わせの食品で済ませがちだ。そんなときは配食サービスなどを使う手もある。

 前出の新開さんは話す。

「私も地方に住む両親の低栄養が心配です。妻と一緒に考えて、両親から送ってもらった食材をこちらで調理し、冷蔵や冷凍の宅配便で何度か送りました。とても喜ばれ、電話でも会話が弾んだ経験があります」

 健やかに長生きすることは、多くの高齢者の願い。自分はフレイルに陥っていないか。そう意識して心と体の状態を確認し、生活習慣を見直せば、要介護が遠のくのではないだろうか。(村田くみ)

週刊朝日 2018年1月19日号より抜粋