香取:できないですね。文化祭とか運動会とか行ったことはなかった。学校に行くと、ぼくを見るために人だかりができて先生の車に乗って家に帰ることもあった。午前中に学校に行ったのに家に戻されて、「文化祭したかったな」と思ったこともありました。
橋田:私なんか宿題をしないで学校に行ってよくバケツを持って立たされた。でも、それもいい思い出でした。そういう思い出は?
香取:ぼくはギリギリ先生に引っぱたかれたこともある世代で、そういうことをするといけないんだと教えられました。今はそういうのすぐに問題になってしまう。
橋田:香取さんの学校生活には興味がありました。
香取:遅刻をしたり、仕事で早退したりすることが多かった。そんな日々が続いている時に職員室に呼ばれたんです。何か悪いことをしたのかな、と不安になって行くと「君が今日いたのかどうかわからないので、帰る時は職員室に一声かけてくれ」と言われました。ぼくは先生に言ったつもりだったのですが(笑)。
橋田:お迎えが来るんですか。
香取:いえ、家に戻ってから電車で行っていました。14歳でCDデビューして、車が初めてつきました。中学の時でしたが、給食を教室で食べている時にCDが発売されたということで放送室から自分の歌が校内放送で流された。ぼくは友達もあまりいなかったけれど、みんなぼくのことは知っている。歌が流れるとみんながわーっとなった。その時はうれしかった。
橋田:今、大学に行って勉強したいとか思ったりしない?
香取:大学ですか。勉強したいとは少しだけ思います。ぼくは高校にも行っていませんから。
橋田:高校も行かなかったの? 私は学校に絶対行かなきゃだめとか思わないけれど、びっくりしました。
香取:心理学とか興味があって勉強したいとか思ったりすることもあります。
橋田:文章を書こうと思ったことはないの? あなたはちょっと型破りだから面白い文章を書けると思う。