室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
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 森友学園問題について、作家の室井佑月氏は怒り心頭で持論を展開する。

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 森友学園問題は、すでに決着がついたのではないか?

 近畿財務局と森友学園前理事長の籠池さんとで、えげつない土地の価格交渉がなされた。その録音テープ、音声データっていうのが出て来て、その存在を、財務省が認めたんだもん。

籠池「1億3千万円がうんぬんというのよりも、ぐーんと下げていかなあかんよ」

近畿財務局「理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を今やっています」

 ちなみに、1億3千万円ってのは、国が森友学園に対して支払った土壌改良の費用。つまり、これを下回ると、国が金を払って籠池さんに土地を譲ってしまったことになるので、この金額に拘(こだわ)っている。

 ほかにも国側は、音声データの中で、「(地中のゴミは)知らなかった事実なので、きっちりとやる必要があるというストーリーをイメージしている」とまでいっておった。籠池さんにタダ同然に国有地を売るための工作を、国主導でしてるがな。

 しかしですよ。以前は森友学園の土地の価格決定について、国側は、

「そういう価格につきまして、こちらから提示したことも先方からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」

 そうきっぱり嘘ついてた。財務省の前理財局長の佐川さんは、何度も国会でそう答弁してた。

 この方、今は国税庁長官に出世されたみたいだけど、国会の場で虚偽答弁を行ったのが明らかになったわけ。

 なのになぜ、なんらかの処罰を受ける気配がないのだろうか? 野党がさんざん参考人として国会招致を申し込んでいるが、それすら与党は嫌がっちゃって。

 安倍首相は、以前は「ゴミが入っているからディスカウントしたわけで、土地の価格は適切だ」といい張っていたのに、ゴミの根拠が崩れたら、「財務省が法令にのっとって適切な価格で売り買いしていると信頼していると申し上げた」と答弁を代えた。

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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