25歳で京都市議に初当選し、現在2期目の江村理紗さん(32)。若手議員中心の地域政党「京都党」で副代表兼幹事長を務めている。若いうちから議員になることのプラス面とマイナス面を語ってもらった。
高校生のころから政治に関心があり、大学時代は村山祥栄・京都市議の事務所でインターンをしていました。ただ、人前に出ることがあまり好きでなかったので、自分自身が選挙に出るなんて、全く考えたことはありませんでした。
大学卒業後は東京に出て、メーカーで商品開発の仕事をしていました。充実した社会人生活を送っていたとき、村山市議から「新党を立ち上げたいから出馬してほしい」と打診を受けました。悩んだ末に立候補を決意しました。東京に出たことで、地元を客観的に見られるようになり、魅力ある京都をもっと良くしたい気持ちがあったからです。
社会人3年目の夏に仕事を辞め、京都に戻りました。地元の行財政を猛勉強しながら、選挙まであいさつ回りに走り回る日々。選挙の手伝いをしたことは何度かありましたが、自分が出るとなると次元の違う忙しさ。退職しての挑戦は不安でしたが、落選したら翌日から新聞配達で生計を立てようと思っていました。
議員になって感じたことは、当選までは若いから応援してもらえることがあるけれど、当選後は若さがあだになるということでした。
たとえば市役所で接するのは課長級以上が圧倒的に多く、若くても40代後半。20歳も年上で、圧倒的な経験の差がある人から情報収集し、対等に議論するのはとても難しい。そのうえ、私は新党の新人。党内の長老議員に教えを請うこともできず、1期目の4年間は寝る間も惜しんで働き、勉強しました。
議員は、生半可な気持ちではできない仕事。実感をもってそう言えます。それでも、若者にはぜひ政治家をめざしてほしい。次の世代が「日本をこうしたい」と臆せず話せる世の中になるには、代弁者が必要です。
議員は自分が関心をもった問題を掘り下げられる。苦労もありますが、やりがいのある仕事ですよ。
※週刊朝日 2017年12月1日号