1998年に録音された、55Barでのライヴ盤収録時より、マイク・スターン(g)、ハーヴィー・S(b)、ダニー・ゴットリーブ(ds)
1998年に録音された、55Barでのライヴ盤収録時より、マイク・スターン(g)、ハーヴィー・S(b)、ダニー・ゴットリーブ(ds)
この記事の写真をすべて見る
2008年に亡くなったハイラム・ブロック(g)も、80年代にはよく出演していた
2008年に亡くなったハイラム・ブロック(g)も、80年代にはよく出演していた
鬼才ユリ・ケイン(kb)率いる、ベッド・ロックも出演する
鬼才ユリ・ケイン(kb)率いる、ベッド・ロックも出演する

 7th アヴェニュー・サウスと、クリストファー・ストリートのコーナーを東に数軒入ったところにあるバー。隣は、1969年のゲイ・ムーヴメント発祥の地の“Stone Wall”だ。1920年代の禁酒法時代に、“Speak Easy”とスラングで言われた隠れ酒場だったところであり、狭い入り口が当時の雰囲気を遺している。1980年代から、当時のニューヨークの尖鋭的ギタリスト達が集い、セッションを繰り広げた。

 夭折した天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスの、ハイラム・ブロック(g)、ケンウッド・デナード(ds)との最晩年のセッションも、この店で収録されている。ピアノがないため、現在も、ギタリストを中心としたライヴが多い。コンテンポラリー・ギター・シーンを代表するアーティスト、マイク・スターン(g)は、1980年代半ばからニューヨークにいるときは、毎週この店に出演しており、オープン・リハーサルのようなギグを聴かせてくれて、ギター・キッズ達の熱い視線を集めている。

 夫人のレニ・スターン(g,vo)も、この店の常連出演者だ。かつては店側は、あまり音楽に執着がなく、出演するミュージシャンにすべてお任せと言った感じだったが、10年ほど前からは、ブッキングに力を入れ始めた。通常は、7時(週末は6時)に始まるアーリー・セットと、10時(同9時30分)から始まるレイト・セットは、別々のアーティストが登場する。若手を中心に、ブルース系のアーティストも多く出演。マイク・スターンら著名なアーティストが登場するときには、長蛇の列が並ぶときもあるので、早めに訪れることをオススメする。

 バーとしては、昼から午前4時まで、オープンしている。ポップ・コーンをつまみに、生ビールがすすむ。いわゆる、フォーマルなジャズ・クラブとは違った雰囲気で、地元の客達とリラックスしたムードで、音楽を愉しめるバーである。

■55 Bar (フィフティ・ファイヴ・バー)
55 Christopher Street (Bt. 6th Ave.& 7th Ave.)
New York, NY 10014
http://55bar.com/
tel. 212.929-9883
Liveは 6:00 (Weekend) or 7:00 PM (weekday) ~ 2:00 AM