著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、フリーキャスター・堀尾正明さんの「支那そば屋 こうや」の「湯麺」だ。
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ずっと気になっていた店でした。何しろ、前を通るといつも満席。そんなにおいしいのかと思っちゃうじゃないですか。意を決して行列に並び、カウンターに。ビールのつまみに頼んだ皿わんたんが、なかなかイケる。
期待を込めて湯麺を頼むと、その大きさに驚きました。野菜が山盛りです。食べきれるかなと思いながら箸を伸ばすと、これがうまい。野菜もスープも麺も絶妙です。あっという間にスープまで完食していました。
以来、野菜不足を感じた時や極度の空腹の時に立ち寄るようになりました。スタッフを誘って行くこともありますが、私のセレクトはいつも湯麺です。
ただ一度だけ名物の極辣麺(カライカライソバ)に浮気しました。ある時、隣の男性が「うぉぉぉぉ~」と唸りながら食べていたのを見て、辛い物好きの血が騒いでしまった。店員さんから「辛いからやめときな」と言われて、よけい挑戦したくなってしまいました。最後までおいしくいただきましたが、辛すぎです。浮気した自分を反省して、今は湯麺一筋です(笑)。(取材・文=鈴木裕也(本誌))
「支那そば屋 こうや」東京都新宿区四谷1‐23 上野KGビル1階/営業時間:11:30~22:30/定休日:日曜・祝日(お盆休み、年末年始休みあり)
※週刊朝日 2017年11月17日号