社会人1年目からの5年間で1千万円を貯めた坂田香さん(仮名・30歳・既婚・2人暮らし)は、営業職のマネジャーを務めるキャリアウーマンでありながら、アパート3棟のオーナーでもある。1棟目は20歳のときに家族で購入した共同資産(4分の1が自分名義)。2棟目は27歳のとき、3棟目は29歳のときに、富女子会に通って貯めた資金を元手に自分で購入した。アパートの大家なら、ローリスク・ミドルリターンで、“身の丈に合った投資”だと考えたのが理由だ。

 初めて自分で購入した2棟目のアパートは、社会人1年目から5年で貯めた1千万円を元手に、4千万円で購入。残り3千万円は、“不動産賃貸業”の創業支援として、日本政策金融公庫から借りたものだ。東急東横線沿線の横浜市内の駅から徒歩10分の場所にある、全4部屋のアパートは満室。月々16万円のローンを返済する一方で、24万円の家賃収入を得ている。

 3棟目に手に入れた物件は、都心の京王線沿線の駅から徒歩10分という好立地。店舗用1部屋、居住用4部屋の5室で構成される物件だ。貯金750万円を頭金に、6750万円で購入した。残り6千万円は、1棟目を担保に、銀行から借りた。月々25万円のローンを返すが、こちらも全部屋満室。月40万円の家賃収入を得て、黒字状態が続いている。

「アパート100室を持つのが目標。これから子どもは2人欲しいし、子どもには我慢をさせず、好きなことをさせてあげたい。夫と私の老後資金も入れて冷静に計算すると、不動産投資で月々200万円は得られるように動いていきたい」

 6年かけて1千万円の貯蓄に成功した保育士の木村幸枝さん(仮名・28歳・独身・一人暮らし)も結婚するまでに、首都圏で不動産を1棟持つことを目指している。

 不動産投資に興味のある若い女性は年々増加傾向にある。会員数が8万人を超える不動産投資サイト「楽待」(ファーストロジック)では、5年前に比べ、主婦の登録が約7倍に増加。インヴァランス(東京・渋谷)の調査では20~39歳で不動産投資に関心のある社会人の女性の半数以上が「老後の生活費のため」、約30%が「子どもの教育費のため」と回答している。

「このまま結婚しなかったら……」「今の会社もいつどうなるか……」「子どもの教育費にいくらかかるか……」「年金もあてにできないし……」──。

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