あらゆる役柄を自分のものにしてきた菅田将暉が、行き場のないエネルギーをボクシングにぶつける若者役に挑む。映画「あゝ、荒野」は、前後篇で5時間を超える大作だ。
「ボクシングという肉体の繋がりによって、キラキラしていく様を表現したかった」
という言葉どおり、肉体が物語る作品だ。濡れ場も多い。共演のヤン・イクチュンとのバランスのため、50キロ程度だった体重をまずは70キロ近くまで増やし、そこから体を絞って臨んだ。
「岸(善幸)監督からは、『菅田将暉の代表作にすると同時に、自分にとっての代表作にもしたい』という言葉をいただいて。それがうれしかったですね」
本作の他に今年公開の映画が5本、大河ドラマにも出演中。忙しさは尋常ではないのでは?
「いや、3、4年前よりだいぶ落ち着きました。それに、ラクをして生きようというつもりはありませんから」
ちなみに最近ハマっているのは、衣装部屋の整理整頓。上京して8年、段ボールだらけだった自分の部屋がやっと片付いてきたという。「少し、余裕ができたんでしょうね」と笑みをこぼした。(本誌・野村美絵)
※週刊朝日 2017年10月27日号