「せっかく表紙(安倍首相)が替わるチャンスだったのに、小池の馬鹿者は何であんな訳のわからない『選別発言』をしたのか! 民意は『安倍NO』で人柄を全く信用していないのに、こんな状況に陥ってしまった。政治は数が全て。彼女だって自民党に長くいたのだから身に染みてわかっているはずなのに。民進党を全部丸のみしていればよかったのに、ブレたね」
ある政府高官は早くも周辺に「改憲大連立政権誕生だ」と明言。
「衆院解散で小池さんが表に出てくることは予知していたので、名指しの批判をしないことにしていた。選挙後も彼女とは改憲発議のような場面で協力できる環境をつくっておきたいと思い、裏で根回しをしてきた。しかし、小池さんが『排除』発言でコケた今は、われわれになびかざるを得ない。次の国会の首班指名でも、希望当選組は『安倍晋三』と投じるはずです」(同前)
小池氏周辺は「改憲での連立は選択肢の一つではある」と言葉少なに語る。
「小池さんは選挙後、次の目を残すためには維新同様に与党の補完勢力になる道しか残っていない。そうなれば、改憲発議に必要な3分の2に手が届く。希望の党から勝ち上がった保守系数十人と維新、無所属を合わせれば、350議席以上になる計算です。自公プラス維新、希望合体のオール保守が形成される。まるで戦前の大政翼賛会の復活ですよ」(自民党幹部)
その希望の党は選挙直後にも空中分解しそうな状況だという。
「議席を伸ばせなかった小池氏は求心力を失うだろう。民進党に籍を残し、希望へ合流した議員たちの不満はマグマのようにたまっており、分裂するのはもはや時間の問題です。民進党の小川敏夫参院議員会長は敗色が濃厚の希望との合流を否定し、議席を伸ばしそうな立憲民主党との連携による再結集を目指す意向を明言している。岡田克也氏ら無所属議員らも含め、旧民主の新党を年内に結党するだろう」(希望から出馬した民進党前議員)
しかし、巨大オール保守与党が誕生すれば、野党は対抗する術もないという。
「憲法改正案をはじめ、法案は何でも通り、安倍さんのやりたい放題の国会運営になる。国民は本当にそれでいいのか? よくよく考えるべきと思います」(霞が関官僚)
22日にはいよいよ審判が下される。(本誌・村上新太郎、小泉耕平、上田耕司、亀井洋志、直木詩帆/西岡千史)
※週刊朝日 2017年10月27日号