北朝鮮の多くの軍事施設は、地下坑道に配備されている。有事になれば、正恩氏は要塞化された地下の作戦指導部に身を潜めるといわれている。
「米韓軍がこうした地下施設をバンカーバスター(地中貫通弾)などで徹底的に叩くというのが、斬首作戦の要になるようです。韓国軍の弾道ミサイルの弾頭重量はこれまで500キロだったのを、倍の1トンまで搭載できるようにしたのはこのためです。どんな地下要塞も1トンあれば完全に殲滅できると見込んでいるのです」(裴氏)
昨年9月9日の建国記念日に、北朝鮮は5回目の核実験を行った。同日すぐに韓国軍の参謀本部は「斬首作戦」を公表し、正恩氏への攻撃を示唆した。その意趣返しとして浮かび上がるのが、金正男暗殺である。殺害にVXガスを使用したのも、化学兵器の存在を暗に示したのではないか、との見る向きもあるほどだ。
9月9日に向けて、いまだ情勢は不穏なままだ。(本誌・亀井洋志)
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