美智子さまに熱い視線を送られる皇太子。ご成婚から1年余り経った1960年夏のひとこま
美智子さまに熱い視線を送られる皇太子。ご成婚から1年余り経った1960年夏のひとこま
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 60年前の8月、長野・軽井沢のテニスコートで行われたダブルスの試合。白いスコートの女性が必死にボールを打ち返す姿に、対戦相手の皇太子(現・天皇陛下)は強い印象を受けたという。これこそがすべての始まりだった。

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 1957年8月19日、軽井沢のテニスコート。正田美智子さんは、皇太子のショットに食らいつき、打ち返していた。この「テニスコートの出会い」は、軽井沢で恋として育まれ、59年4月にご成婚とあいなった。

 ここに紹介する写真は、軽井沢にある土屋写真店2代目店主の小林幸夫氏が撮影したもの。初代店主・小林治平氏が、昭和天皇の侍従だった甘露寺受長(おさなが)氏と懇意だったことから、同店は皇族の写真を撮る許可を特別に得ていたのだ。

 初代の孫である町田夏子さんが回想する。

「皇太子とテニス仲間の皆さんは、よく喫茶店に集まり、お茶を飲んでいらっしゃいました。美智子さまや妹の恵美子さんもいらして。地元では、お相手は恵美子さんかな、富士銀行頭取のお嬢さんかな、と噂していたのですが……。

 叔父(2代目)も夫(3代目)も言っていましたが、皇太子も美智子さまもにこやかに『お元気ですか』と声をかけてくださったそうです。軽井沢は、おふたりにとって寛(くつろ)げ、自然に振る舞える場所だったのでしょうね」

週刊朝日  2017年8月18-25日号