「まだ沖縄が返還されていない時代でした。皇室に複雑な感情を持つ沖縄県民もまだまだいた時代。両陛下は、『沖縄と皇室の懸け橋にもなれば』と、沖縄の歴史と文化を学び、人びと交流を続けてこられた」

 その志は、秋篠宮家に受け継がれた。紀子さまは、琉球舞踊や琉歌を学び、ご一家は沖縄戦を語り継ぐ証言に耳を傾け、歴史を学んできた。
 
そして沖縄戦から72年が経った。この日、佳子さまに対面した沖縄の子どもたちは、くったくない笑顔で、こんな感想を漏らした。

「佳子さま、細くて可愛いかった。髪もさらっさら」

 沖縄県民の皇室に対する感情も、以前とはだいぶ変化した。皇室の若きプリンセスの訪問は、沖縄と皇室の間に、新たな風を吹き込んだのかもしれない。(本誌・永井貴子)

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