最後の辞任会見でも稲田氏は本誌が指摘した「まつエク」でのぞんだ? (C)朝日新聞社
最後の辞任会見でも稲田氏は本誌が指摘した「まつエク」でのぞんだ? (C)朝日新聞社
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 おめめパッチリの「まつエク」効果とは裏腹に疑惑はまったく晴れず、視界不良のまま稲田朋美氏は防衛相をあえなく辞任した。

 南スーダンPKO派遣部隊の日報が隠蔽された問題で、省内では“2.15クーデター”が勃発。次々に内部文書、情報が漏えいした。

 そして日報の電子データが陸自に保管されていたことを隠蔽(非公表)した経緯に、稲田氏自身が関与したか、が最大の焦点となった。

「更迭すれば、クーデターを許すことになると安倍さんは『文民統制の観点から許せない』と稲田をかばい続け、8月3日の内閣改造で交代する形にしようとしていた。だが、さすがにかばいきれないと判断した」(官邸関係者)

 防衛省幹部がこう言う。

「自業自得ですよ。弁護士であることが自慢の稲田氏は、大臣レクでもすぐに『これ、法的根拠あるのか?』と問い詰めてくる。職員がすぐに返答できないと『あなた司法試験に合格したの? してないでしょう』と畳みかけるのがパターンです。これでは嫌われ、人心が離れますよ」

 稲田氏はいつも秘書に六法全書を持ち歩かせていたという。

 防衛相の直轄組織である防衛監察本部が行う特別防衛監察は当初、指揮官である稲田氏に対する調査は対象外だった。

「稲田氏は、省内でわれわれには厳しくすると言わんばかりの発言や態度を繰り返していた。確かに日報を隠したのは陸自の失態だが、これまで数々の失言からどれほど守ってやったのかと不満が募っていた」(同前)

 昨年7月の日報に書かれていた南スーダンの首都ジュバで起きた「戦闘」を、稲田氏は国会で「武力衝突」と言い換えて答弁し、野党の集中砲火を浴びた。防衛官僚としては、苦境に陥った稲田氏を必死に支えてきたという思いがある。

 しかし、日ごろの稲田氏の振る舞いは、そんな彼らの自尊心をいたく傷つけるものだったという。

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