「ポスト安倍」をめぐる人脈図(週刊朝日 2017年7月21日号より)
「ポスト安倍」をめぐる人脈図(週刊朝日 2017年7月21日号より)
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 大惨敗に終わった都議選以来、「安倍一強」が音を立てて崩れだした。これまで沈黙を貫いてきた有力派閥が次の総裁選に向け、候補擁立に蠢きだし、「安倍おろし」のシナリオを画策しはじめたのだ。

 自民党が歴史的惨敗を喫した都議選から2日後の7月4日夜、都内のホテルで田中角栄、竹下登両元首相の派閥の流れをくむ額賀派のパーティーが開かれた。

 額賀福志郎会長は「安倍政権を支える」と冒頭、淡々と述べたが、これには裏があった。

 その後、非公開で行われた派閥結成30周年記念と銘打った会合では、「安倍首相に対するぼろくそ批判の嵐」(出席者)だった。

 出席者によると、津島雄二元厚相は「安倍さんの経済政策では、日本の財政再建ができるわけがない」と反発、幹事長経験者からは「安倍3選は絶対に阻止する。調子に乗りすぎだ!」と過激な発言が飛び出した。 同会重鎮の野中広務氏は会合後、記者団に改憲反対を訴え、「稲田(朋美)防衛相をクビにしていたら、小池(百合子)都知事はあれほど勝っていない」と痛烈に批判した。同派会長を務めた綿貫民輔氏は本誌にこうぶちまけた。

「加計問題で疑惑を告発した文部科学省の前川喜平・前事務次官は霞が関の役人全員の意見を代弁している。特区制度創設などの諮問会議議長に首相が就き、『首相が言っているから』と文句を言わせないやり方は明らかにおかしい。竹中平蔵・元経済財政担当相が安倍首相のブレーンとして裏にいるのが元凶だ」

 続けて、「憲法改正も先走った話だ。首相が押し付けようとすれば、スケジュールどおりいくのは難しい」とばっさり切り捨て、11月の臨時国会を念頭に置く自民党の改憲案提示は「無理」との見方を示した。

 時を同じくする4日夜、有力なポスト安倍候補の一人、岸田文雄外相が講演で“反旗”を翻していた。

「わが国は戦後、アメリカをお手本に目指してきたが、結果として負の部分を受け入れてしまった。それは格差の問題です。格差の負の側面に適切に対応することが重要だ」と踏み込み、政権の看板政策アベノミクスを修正する必要性を強調。

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