保育士不足に陥っていた森友学園関連の保育園(大阪市淀川区)が6月30日で閉園することになった。大阪地検特捜部が籠池泰典前理事長の自宅、塚本幼稚園など学校法人「森友学園」関係先に対する強制捜査に乗り出したのは今月19日。国有地の不当廉売問題が明るみに出てから4カ月、ついに刑事事件へと発展したが、「詐欺」か、「国策捜査」か。菅野完氏がその最終攻防に迫る。
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籠池氏へのインタビューがようやく実現したのは、強制捜査から4日後の23日だ。開口一番、こう訴えた。
「しかし検察は、何から何まで持っていくねぇ。事件になんの関係もないものまで持っていく。息子や娘の赤ちゃんの頃の写真から娘の高校と大学の卒業アルバムまで。あんなもん捜査に必要ないと思うけどなぁ」
検察による家宅捜索への不満を口にした籠池氏の口ぶりからは、疲労のほどがうかがえる。
「そりゃ疲れるわな。なんせ、ウチへの家宅捜索は夜中の2時までかかったんやから。幼稚園のガサ入れの方はもっとひどい。幼稚園なんか女性職員多いのに、朝の6時ごろまで引っ張ってな。みんな徹夜や」
籠池氏へのインタビューに先立ち、幼稚園職員にも話を聞いたが、塚本幼稚園での家宅捜索は苛烈を極めたようだ。
「女性の検察官から『こっち来てください』と呼ばれ、身体中、隅から隅まで、ボディーチェックを受けました。私たちは容疑者ではなく参考人だと聞いていたのに、口調も扱い方もまるで犯人扱いでしたね」
しかも当初「家宅捜索の間、外部との連絡を遮断するため預からせて欲しい」と取り上げた携帯電話まで、最後になって「これも証拠品として押収する」と持って帰っていったという。
「検察は嘘ばっかりつく」と幼稚園職員も、籠池氏同様に検察の手法への不満を滲ませる。
今回の家宅捜索の容疑とされたのは詐欺と補助金適正化法違反の二つ。
森友学園の経営する「塚本幼稚園」で、勤務実態のない職員を雇用したように装い府の経常費補助金約3440万円を不正に受給した疑いと、平成23年度から27年度にかけて特別な支援が必要な「要支援児」を受け入れているなどと偽り、補助金約2740万円を詐取したという詐欺容疑だ。