安倍首相人脈と加計学園グループ(週刊朝日 2017年6月16日号より)
安倍首相人脈と加計学園グループ(週刊朝日 2017年6月16日号より)
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“前川の乱”に続き、新たな証拠が続出しても、官邸は完全に黙殺を貫く構えだ。しかし、安倍晋三首相の人脈と加計学園との関係を取材すると、ただならぬ「親密ぶり」が見えてきた。時の権力者にがっちりと食い込んで拡大を続ける加計学園の「学校経営術」とは……。

「奇麗に辞任する形を取るために菅(義偉官房長官)さんが一生懸命やったのに、今さら何なんだ! 官僚を40年近くやっても、政治を何にもわかっちゃいない」

 安倍首相は加計問題をめぐり告発を続ける前川喜平前文部科学事務次官に対し、周辺にこんな不満をぶちまけているという。次々と噴出する疑惑について政府筋がこう語る。

「ここまで続くと政権へのダメージの蓄積が心配。加計(孝太郎)さんが首相シンパのパトロン的存在なのは事実でしょうが、安倍首相が直接指示した証拠はなく、あくまでも周囲が忖度した話のはず。野党は批判し続けるだろうが、官邸は『前川氏が勝手に言っていること』と同じフレーズを続けて無視する構え。内部では必殺“黙殺作戦”と呼んでいるようですよ」

 だが、事態はもはや黙殺できないレベルに達した。6月2日には、政府が「確認できない」としてきた文科省の内部文書が省内の複数の担当者にメールのCCで共有されていたことを示す資料が発覚。同日の民進党の調査チームの会合では、文書の送信先に名前があったF企画官らが呼ばれた。民進党の玉木雄一郎議員らに、パソコンに今もメールが残っているかを確認するよう要求されると、F企画官は会議室から出ていったが、そのまま戻ってこず。会場にいたK総務課長は、「(F企画官とは)連絡がとれない。松野博一文科相とも連絡がとれないので、確認できない」と言いだす始末だった。

 また、前川氏の証言では昨秋に和泉洋人首相補佐官に呼ばれ、「総理は言えないから私が言う」と、獣医学部の新設への早期対応を求められたという。

 和泉氏を知る国土交通省OBはこう語る。

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