岡田准一氏はいちご好き? (※写真はイメージ)
岡田准一氏はいちご好き? (※写真はイメージ)
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「駅 STATION」(1981年)、「夜叉(やしゃ)」(85年)、「鉄道員(ぽっぽや)」(99年)など、数々の名作を世に送り出してきた監督・降旗康男と撮影・木村大作の名コンビ。その2人が9年ぶりにタッグを組んだ映画「追憶」が公開された。主演の岡田准一さんが、撮影を通して見えてきたもの、そして自身の仕事のあり方について、語ってくれた。

──この作品の撮影を通じて、岡田さんのなかにもいろんな変化が生まれたと伺いました。

 降旗康男監督に木村大作キャメラマンというすごい現場で、本当にいい経験をさせていただきました。撮影が終わったときに大作さんから、「そろそろお前は、もう演じるっていうことをやめたらいいんじゃないか」って言われたんです。それまで僕は、「がんばって役を演じる。役になりきる」ことに力を注いできたんですが、人間の姿を撮り続けてきた方にそう言われて、考えさせられるものがありました。“がんばる”ってことに美しさを感じている自分がいるんですが、これからはいい意味で力を抜いていくことも必要なんじゃないかと。もちろん役柄や現場によって求められることも違いますが、もしかしたら今後、自分の芝居が変わるんじゃないかって感じています。

──変わりたいという思いがあるのでしょうか?

 あります。「仕事はがんばるもの」「役は演じるもの」というスタンスでずっと仕事をしてきたけれど、もっと自分のなかから出てくるものをさらけ出すことによって、違う役柄に出会える可能性があるのかなと思いました。性格的なものもあるので、難しいのですが。たとえば勝新太郎さんは、撮影で国宝級のキセルを手にして、それを芝居中にバーンとたたき壊したという伝説があるんですよ(笑)。芝居となったら、そこまでできてしまう。でも僕は、そういうものを大事に扱ってしまうタイプなんです。

──以前、V6のメンバーがあるインタビューで、「デビューから一番変わった人は?」と聞かれ「岡田君」と答えていました。

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