国有地売却でまた新たな疑惑が持ち上がっている。
森友学園が認可適当と判断されたのは2015年1月で、同年5月には土地の有償貸付契約を結んでいる。だが、不思議なことに森友学園はそれ以前の14年10月21日から25日にかけ、小学校建設予定地のボーリング調査を行っているのだ。なぜ、契約前の国有地を掘り返すことができたのか。この問題を国会で追及する森ゆうこ参院議員(自由党)がこう語る。
「契約を前提としていないと土地を掘らせるとは思えず、最初から認可ありきで事が進んでいるとしか思えない。当初、財務省理財局は『よくあること』と説明していましたが、他の事例を挙げるよう言っても答えず、『有料で一時貸し付けした』と言いだした。それならいくらで貸したのかを聞くと、国交省航空局の回答は『11日間の貸付で444円』というものでした」
小学校予定地は8770m2と広大なのに、その賃料は500円玉でお釣りがくる程度という“超格安価格”だったというのだ。疑問を感じた森議員が再確認を促すと、国交省は後日、444円の賃料は間違いで、正しくは4795円であったと伝えてきた。
不足分の4351円は3月7日にすでに森友学園側から徴収したというが、それでも安い。森議員はこう疑問を呈する。
「国交省には金額を算出した根拠となる計算式を示せと言っていますが、まだ回答がありません。不足分を追加徴収したという日は私が国会でこの件を質問した翌日で、慌てて修正したようです。一連の問題は官僚たちが違法性を問われないように緻密なスキームを構築した形跡がありますが、必死につくろってきたストーリーが、細部から崩壊しつつあるのではないか」(森議員)
パンドラの箱のフタは、もはや封印しきれなくなってきたようだ。
(本誌・小泉耕平)
※週刊朝日 2017年3月31日号より抜粋