「登録されたニューカレドニアでは近く、仏領にとどまるか独立かを決める住民投票が行われると聞いています。沖縄県議会で決議して国連に働きかけ、国際社会の支援を受けながら平和的に独立を目指すのです」
独立に当たって、経済問題は避けて通れない。これまで、沖縄は基地に依存した経済というのが定説だったが、すでに崩れている。例えば、米軍施設の返還後、再開発された那覇新都心「おもろまち」の経済効果は返還前の年間52億円から1634億円へ跳ね上がった。県は普天間返還後の経済効果を約4千億円と試算。極東最大の米空軍基地・嘉手納飛行場が返還された場合を、沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授が試算したところ、実に年間1.5兆円にも上るというのだ。
「全基地撤去すれば総額3.8兆円になります。あえて北部のキャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどは経済効果ゼロとし、厳しい設定をした。それでも雇用は10万人増、雇用者1人当たりの年収は平均84万円増えます」(友知氏)
独立に向け、イニシアチブをとるとしたら、時の知事だろう。来年12月、翁長雄志知事の任期が満了となる。20年には県議選も控える。
「保守系9市長でつくる『チーム沖縄』が知事選で候補者を擁立する構えですが、依然、翁長人気は根強い」(地元財界人)
現実味を帯び始めた「琉球国」。5年後には、歴史を変える第一歩を踏み出しているかもしれない。
※週刊朝日 2017年3月17日号