放送中の連続ドラマ「嘘の戦争」で、天才詐欺師を演じている草なぎ剛さん。撮影中は終始ハイテンション、主役自ら現場を盛り上げる気遣いの人だ。仕事に対する思いや結婚観まで、笑顔で語ってくれた。
──20年経って、仕事や演技に対する思いに変化は?
いろんなお仕事をさせていただきましたが、自分としてはまだまだひよっこというか。たとえば高倉健さんとか、200本以上の映画に出ていらっしゃるじゃないですか。それに比べたら駆け出し、いつもスタートラインみたいな気持ちです。みんなを引っ張っていかなくちゃいけない年齢なのかもしれませんが、若い俳優さんから刺激を受けることも多いし。
ドラマのお仕事って、僕にとってはそうしょっちゅうあるものじゃない。新しい現場に入ると、新学期を迎えたような気分になって、背筋がピンとします。「初めて主役をやったときにはもうちょっと台本を読み込んでたんじゃないか」「慣れてしまっている部分はないか」。そんなことを考えますね。
僕はすぐ怠けちゃうし、本当にハナクソなので(笑)、どうにかハナクソから脱出したいという気持ちでやっています。周りに恵まれて、いろんな人に支えてもらって、どうにかこうにかいいお芝居ができるんじゃないか、いい作品を作れるんじゃないかと思って、一生懸命やっています。
──インタビューなどでは、「仕事が好きだ」「楽しい」と語っています。
僕は仕事が好きなんだと思います。仕事があるから家賃とか光熱費とか払えるし、好きなものも買えるからね(笑)。
もちろん仕事だから楽しいことばかりじゃないけど、ツライことも楽しむくらいじゃないと。ツライことの先には、もっといいことがあるんじゃないかと思っている。実際あるしね。
──大変なときの気持ちの切り替えは?
とりあえず早く寝て、「朝の空気吸おうぜ」みたいな。それから、「なんで自分だけが」と思わないようにしています。人それぞれ、大変さを抱えて生きている。「みんな同じなんだ」と思うと、すごく楽になります。空もつながっているしね。