リオ五輪へは都職員136人が出張し、計3億2千万円の出張費を使ったことが、自民党都議の質問で明らかになっている。だが、都のホームページでは知事は4人の随行員と閉会式に出張し、計約1350万円の出張費を使ったと公表されており、齟齬(そご)があるのだ。
「現地ではいくつかの場面で知事と一緒だった職員がいます。現地で都の職員は知事のアテンドの仕事をしていたわけで、知事が行かなかったらそういう仕事をしていないのですが、この出張費がカウントされていない可能性もあります」(都庁関係者)
東京五輪大会組織委員会の森喜朗会長が小池知事を「何も勉強していない」とこき下ろすと、それに符合するように都議会のドン、内田茂都議が率いる自民党都議団も勢いづき、“包囲網”も厳しくなってきた。
目下、ターゲットになっているのは、都知事選で小池知事を応援し、党から除名処分を検討されている「7人の侍」(豊島、練馬区の区議)の一人、河原弘明・豊島区議だ。自身が役員を務め、親族が経営する印刷会社に、2011~15年度の5年間で、政務活動費から約1080万円の仕事を発注していたことが発覚したのだ。豊島区のルールでは政務活動費で議員個人の資産形成につながる支出はしてはならないという取り決めがある。7年前、豊島区の政務調査費の使い方のルール作りにかかわった千葉大学の新藤宗幸名誉教授は言う。