国の安定の要たるプミポン国王を失い、悲しみに暮れるタイ。「微笑みの国」はどこへ向かうのか (※写真はイメージ)
国の安定の要たるプミポン国王を失い、悲しみに暮れるタイ。「微笑みの国」はどこへ向かうのか (※写真はイメージ)
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 タイ国民が悲しみに暮れている。10月13日にプミポン国王が88歳で亡くなった。国民は黒い服を着て哀悼の意を示したり、テレビが白黒で追悼番組を一日中放送したりするなど、国全体が喪に服している。

 軍政下にあるタイで、プミポン国王は、政治的混乱を収拾するなど、国の政治的、社会的な「安定の要」として役割を果たした。国民から“父”と慕われており、政府機関も1年間、喪に服すとし、一般国民にも30日間は娯楽を自粛するように呼びかけている。

 一方で、次期国王の即位に向け粛々と準備が進められている、と思いきや、そうではないようだ。

 タイは「国王を元首とする民主主義制度」を統治原理としており、王位は長男のワチラロンコン皇太子(64)が継承することになっている。しかし、皇太子は、即位はプミポン国王の弔いの儀式が一段落した後にするとの意向を示した。プラユット暫定首相らに「私を含め、皆が嘆きと悲しみの中にあり、まずこれを通り抜けねばならない」などと発言したという。王位継承に向けた具体的な日程は示されず、国民の間にはさまざまな臆測が生まれているという。

「国王になるとやってはいけないことが出てくるので、嫌がっているのではないでしょうか」

 タイの実情に詳しい人たちに取材する中で、意外な答えを聞いた。

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