ただ、いくらいいコンテンツをそろえても、見てもらえなければ意味がない。大学の分析では、まだHPに直接アクセスする人は少ないという。そこでSNSの出番だ。

「インスタグラムでは当初、キャンパスや風景など“映える”写真ばかりを投稿していました。でも写真だけでは、雰囲気は伝わっても具体的な大学の中身がわからない。情報発信するべきだと方向転換し、HP掲載の最新ニュースを画像付きで簡易的に転載することで誘導を図っています」(同)

 それでも、インスタの魅力は写真投稿にある。学術的な堅い話題ばかりにならないよう、正月に55年ぶりの出場で話題になった箱根駅伝の様子を投稿したり、ショート動画でキャンパスの雰囲気を紹介したりと、HPにはないコンテンツも充実させる。その結果、相当数の受験生がSNS経由でHPを訪問してくれるようになったという。

 ただし、SNSの充実が志願者増に直結するとは言えないようだ。前出の神戸さんが解説する。

「高校生はSNSを進路選択における意思決定には使っていないのが実情です。志願する大学の情報を得ようと思えば、HPにアクセスします。SNSは、大学名を広く知ってもらう、新設学部を宣伝するといった点に有用性があります」

 立教大もSNSの“宣伝力”に注目したというわけだ。和田さんが言う。

「高校生が志願大学を決めるまでの道のりは(1)認知(2)関心を持って調べる(3)志願と3段階に分けられます。地方での認知度を課題としている立教は、まずは認知度をあげることが大事なんです。訴求力のあるSNSは超重要ツールになっています」

 昨年4月に、大阪府立大学と大阪市立大学が統合して開校した大阪公立大学にとっても、SNSは認知度向上に欠かせない。広報課の片山廣士さんはこう話す。「近畿2府4県ではようやく知られてきましたが、全国的、また海外にはまったく大学名が認知されていない。力を入れている英語版を含め、SNSの活用を試行錯誤しています」

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