大学のPRにSNSが欠かせない時代になった。受験生に大学を知ってもらうだけでなく、地域の住民や海外への情報発信も担う。そんな大学のSNS戦略の最新事情に迫る。
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「大学全入時代」が叫ばれて久しい。少子高齢化が進んだことで、大学進学希望者総数が定員総数を下回ろうとしている。限られた数の学生を確保すべく、大学側は試行錯誤を重ねている。その一つがSNSの活用だ。
市場調査会社のICT総研が実施した「2022年度SNS利用動向に関する調査」によれば、国内のSNS利用者数は8270万人で、普及率は82%にのぼる。いまや多くの大学が各種SNSを駆使して、大学の魅力をアピールしている。
教育ジャーナリストの神戸悟さんが解説する。
「2000年代初めはフェイスブックが主流で、使っていないと、大学執行部から『なんで使ってないんだ』と叱られるほどに当たり前でした。ただ、フェイスブックは若年層の利用者離れが著しく、今はツイッターがマスト。次いで、インスタグラム、ライン、YouTube、ティックトックでしょうか」
学習管理アプリを運営するスタディプラスが昨年7月に高校生を対象に行ったアンケートでは、日常的な情報収集の手段として、YouTube、ツイッター、インスタグラムといったSNSが5位までにランクインしている。
立教大学はSNSの導入が早かった大学の一つ。今、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ラインなどを活用する。広報課の和田務さんはこう話す。
「メインターゲットは受験生です。投稿を見た人に大学を認知してもらい、いかにホームページ(HP)に誘導するかが大事だと考えています」
立教大は6年前にHPをリニューアルした。以前は対外的な広報内容や、各学部のお知らせなど学内者向けの情報も混在していたが、受験生を中心とした学外者向けに“特化”させた。
「在学生や卒業生のインタビュー、出身著名人の講演会紹介など読み物も充実させて、大学の魅力を発信しています。また、『大学を選択する』という体験の価値を向上させるための受験生専用コンテンツも制作しています」(和田さん)