大阪公立大学
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 大阪公立大ではSNSの利用者層を意識して、発信する情報を変えている。フェイスブックは社会人や近隣住民向けのイベント紹介、ツイッターは研究分野情報や学生、卒業生の活躍など幅広く投稿。インスタは在学生向けに情報を発信している。インスタのアカウントをみると、馬術部や漕艇部の躍動的な写真に加え、「肉団子入りほっこりスープ」「旬の味覚を楽しむ! 鮭と3種のきのこのホイル焼き」といったレシピが目に入る。

「愛校心の醸成や、部活動の活性化を目的とするだけでなく、ひとり暮らしの学生向けに本学学生考案のレシピ紹介も投稿しています」(片山さん)

 SNSの発信は広報課の若手職員が担当する。さらに在学生の協力を得て、投稿画像を制作してもらうなど、“若い感覚”を意識する。これも若者たちに広く大学名を知ってもらいたいからだ。

「今は受験生に向けてという意識はありません。まずは外に認知してもらうこと、加えてインナーブランディングの段階です。(統合して)1年目の大学なので、まずは在学生と教職員に大学の理念や動きを知ってもらう。そのきっかけにはなっていると思います」(同)

 認知度向上、受験生の確保、大学の地歩固め、在校生の愛校心醸成と、SNSの使い道はさまざまだ。近畿大学は世界初の完全養殖に成功した「近大マグロ」を前面に押し出したツイートで話題を呼び、今年開学10年目を迎える大和大学は、絵文字を多用したフランクな口調で、大学とは関係のない世間の話題をたびたびツイート。親しみやすさを呼ぶのか、フォロワー数を増やしている。

「SNSはコストがかかりませんし、更新の手続きが煩雑なHPよりも早く発信できます。優秀な学生の奪い合いはこの先過熱していくでしょうし、多様な学生を獲得するため、少しでも裾野を広げるには欠かせないツールなのです」(神戸さん)

(本誌・秦正理)

週刊朝日  2023年2月24日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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