斎藤さんの乗っていた軽自動車は施設の特製車両だが、運転席の窓に設置されていたステンレス製の安全バー(直径約2センチ)が外れていた。クマに壊されたと見られている。「窓から餌をやるため、バーは1本だけ。クマの襲撃を想定して作られてはいない」(矢島本部長)という。
これに対し、富士サファリパーク(静岡県裾野市)では、巡回車の窓に鉄格子を取り付け、動物の手や口が入らない対策を講じている。「クマが襲ってきても壊れることはない」(同パーク)という。必ず2台で巡回し、あえて動物を追い立てるように運転するなど、動物が巡回車に近づかないような「しつけ」もしているという。
群馬サファリパークは、(1)強度の高い鉄製の格子を巡回車の窓に設置(2)園内の巡回は複数の車で実施(3)女性を襲ったクマは当面、獣舎の中で飼う──などとした再発防止策をまとめ、群馬県に報告。20日、営業を再開した。
斎藤さんの死を待たないと、できない対策だったのだろうか。
※週刊朝日 2016年9月2日号
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