幅広い年代に広がりを見せるSNS。だがここで、中高年が“招かざる客”として疎まれている現実があるのをご存じだろうか。「来ないで」「迷惑」。自覚なきおじさん、おばさんの暴走に若者の悲鳴が上がっている。SNSにおける中高年の実態を追った。
「楽しかったのに、あの人とつながったら面倒なことが増えてしまって……」
東京都在住の会社員、中田文さん(仮名・35歳)。7年前にSNSの「フェイスブック」(FB)を始め、友人らとのコミュニケーションを楽しんでいたが、親類の叔母(56)とつながったことで一転、ストレスになった。
叔母がFBに登録し、中田さんとつながったのは2年前のこと。最初のうちは問題なかったが、始めて3カ月ほど経ったころに異変が起きた。
「どっぷりFBにハマった叔母が、私の投稿全てにいち早く、説教じみたコメントをしてくるんです。しかも、長文で」
中田さんが友人らとの食事を楽しむ様子を投稿すれば、わずか2分後にこんな言葉が返ってくる。
「美味しそうだけど、食べ過ぎるとまた高校生の頃みたいにまん丸になっちゃうよ? 若いうちは、外食が無駄遣いだっていう感覚ってないんだよね~。豚肉のソテーなんて、スーパーでお肉買って家で焼いたら、300円ぐらいでできちゃうのにレストランでは5倍近く取られちゃう。ちなみに私の夕食は、最近和定食ばっかり。パパがこれが体調が整うから良いって言うんだよね~。外で遊んでばかりじゃなくて、たまには実家にも顔出さないと、お母さん淋しがるよ」(原文ママ)
コメント欄を埋め尽くす、自分語りのこの長文。
「困惑を超え、怒りすら覚えた」(中田さん)
さすがに周囲も、親類のこんなコメントの後は反応しづらい。
「叔母の長文コメントに反比例するように友人からの反応は少なくなってきて……本当に勘弁してくれ状態。大勢の友達の前で、公開処刑されているような気持ちです」
登録から半年経ったころには、日に5~10回も投稿するようになった叔母は、そのうち“奇行”も目立ってきた。