「昨年、愛犬が死んだとき、『この子が頭から離れません』と、日に何回も投稿しまくって、タイムラインが犬の亡骸の写真で埋め尽くされて……。これにはさすがにドン引き。限界だと思って、友人リストから外しました」

 SNSで手を焼いた例をもう一つ見てみよう。

 東京都在住の派遣社員、作田香さん(31)は、親の目から逃れるために、別アカウントを設けるに至った。九州に住む母親がFBを始め、軽いノリでつながったのはいいが、「元気でやってる?」攻撃に悩まされた。

「メール感覚で『今日は仕事遅いの?』『元気?』と全体に公開される投稿で聞いてくるんです。電話に出られないときには、FBのログイン時間をチェックされる。“FB見てるなら電話に出ろ”と言われ、口論になったことも。心配なのはわかりますが、これではまるで監視です。本当に弱りました」

 SNSの代表格、FBは国内の登録者数が年々増加し、現在2500万人超に上る。だがその一方で、メイン層だった20~30代の若者を中心にFB離れが進んでいるという。

 主な理由のひとつが、中田さんや作田さんのように、家族や親類など実生活で密な関係の人たちの“新規参入”で、「プライベート利用がしにくくなった」というものだ。若者の間では「実社会より面倒」「フェイスブックは、おじさん、おばさんのSNS」と敬遠する声も少なくない。

週刊朝日 2016年8月26日号より抜粋