18歳から投票ができる7月10日の参院選に向け、各党とも若者の目を引こうと、アノ手コノ手の宣伝合戦に必死の様相だ。
中でも小技が抜きんでているのが、公明党が3月に配信を始めた無料ゲームアプリ、「進め!コメ助!」である。ゆるキャラのコメ助や「山口代表」が、海賊船長が操る妨害船から帆船を守り航海を続ける内容で、公明党の広報担当者は、
「単純さがおもしろい、と好評で、すでにダウンロード数は1万に達しています」
と、ご満悦。コメ助を妨害する各党の党首そっくりな海賊のキャラクターがまた痛快だ。
「まっすぐ進んで攻めて行くぞ!!」と自民党のキャッチコピーもどきのせりふとともに紹介されている、安倍晋三首相似の海賊船長や、「左右に曲がりながら攻めて行くぞ!!」と迷走する政策を皮肉るようなせりふつきの岡田克也・民主党(当時)代表似の海賊船長。赤い海賊帽をかぶり赤色の船に乗る志位和夫・共産党委員長似の海賊船長などが登場。
現実世界では、自民党は大事な連立の相手だが、ゲームでは舵を取り合う敵。そこへお助けキャラの「山口代表」が登場する仕立てになっている。
政治評論家が苦笑する。
「まずは連立のパートナーである自民党を、やや持ち上げて『王道』に位置づける。だが、『舵取りゲーム』では、戦争行為を視野に入れた憲法改正を目指す安倍自民党政権に対して公明党が舵取りする設定です。公明党の立ち位置をうまく若者にアピールしていますね」
これがゲームから透けて見える本音かも。
※週刊朝日 2016年7月15日号