「選挙に強い公明が底力を見せてきました。それに、野党が本気で選挙協力をしたら、もう少し議席を伸ばせる可能性がありますね」

 数字だけ見ると、自民の圧勝で“改憲勢力の3分の2超えで改憲”への道筋が見えてくる。だが、角谷氏は「圧勝したとしても、単純な話ではない」と言う。

「英国のEU離脱により、今後、日本経済にも影響が出るでしょう。安倍首相は『秋の臨時国会で憲法改正をめぐる議論をしたい』と発言していますが、それでは国民から『経済政策より憲法改正が優先されるのか。それは違うのではないか』との不満も出かねない。衆院議員の任期満了が2年後に迫り、東京五輪も近づくなか、非常に複雑な政権運営になることが考えられます」(角谷氏)

 たった一言の失言や政治家の失態で、情勢が一変するのが参院選のこわさ。参院選後に発表が先送りされた5兆円超の年金運用損も判明し、選挙に影響する可能性もある。英国の国民投票を例に引くまでもなく、あなたの一票が憲法やこの国の命運と直結している。

週刊朝日 2016年7月15日号より抜粋

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