パリ市庁舎でも晴れやかな表情を見せていたが (c)朝日新聞社
パリ市庁舎でも晴れやかな表情を見せていたが (c)朝日新聞社
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 渦中の舛添要一・東京都知事は防戦に躍起になっている。

 5月25日には自身の疑惑について調査する「第三者」としてヤメ検の弁護士2人を選任したと発表したが、弁護士の氏名は調査結果が出るまで非公表。27日の定例会見では「一日も早く結果を出していただきたいとお願いしている」と繰り返したが、相変わらず調査の具体的期日も示さなかった。

 ただ、淡々と質問に答え続けた前回の会見と違い、この日は記者の質問が終わらないうちに「そういう個別的な問題についてはお答えを差し控えたい」と早口で答えるなど、いら立ちをあらわにする場面が複数回あった。精神科医の片田珠美氏は、会見の様子をこう分析する。

「舛添氏は根本的に自分が悪いと思っていないように見えた。東大助教授、国会議員など華やかな経歴を持ち『自分は特別だから多少のことは許される』という特権意識を抱いている可能性が高い。典型的な傲慢症候群(記事後半の表)が考えられる。3度の結婚や愛人にも子供がいる点を見ても、人をどれだけ傷つけるかという想像力が欠如している。実績は違うが“ゲス不倫”問題の宮崎謙介前議員と同じ特徴が見られます」

 確かに特権意識は強いようだ。舛添氏が2010年に出版した著書『内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方 増補版』には、こんな記述がある。

<庶民にはできないことを託されているからこそ選良なのである。その選良意識を誇り高く庶民にアピールするのが、本物の政治家であると私は確信している>

 もしや高級ホテルや別荘通いにこだわったのも「選良意識のアピール」だったのか……。片田氏はこう続ける。

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