「若い世代がこの映画を見てくれて、ジャーナリズムに熱さとパワーを感じてくれたらと思うよ。今回、役を演じるため、ロビンソンらと話し、ジャーナリストというのは、本当に人の話を聞くのがうまいと思った。人にインタビューするとき、実際に聞いている話に耳を傾けると同時に、もうひとつ背後に横たわる大きな物語を掘り出そうとしている、と言うのかな。すごいパワーだ」

 ロビンソンの同僚で一緒に取材し、現在も記者として活躍しているマイク・レゼンデス。

 彼は15年前、大事件の真相を初めて知ったときのショックをこう振り返る。

「カトリック教会はボストンのゲーガン神父が何百人もの子供を性的に虐待してきたと知っていた。30年の間、六つの教区がその事実を知っていたにもかかわらず、ゲーガン神父は最後の最後まで聖歌隊の少年のまとめ役を務めていたんだ。なぜそんなことが起こったのか、全く理解できなかったんだ。その瞬間、これはすごく大きな事件になるだろうと感じたんだよ」

 レゼンデスの役を演じるのが、大型娯楽映画「アベンジャーズ」から社会派問題作「フォックスキャッチャー」「キッズ・オールライト」などで幅広く活躍するマーク・ラファロだ。

 カトリック教会の秘密を暴くジャーナリストを演じたことについてラファロはこう語る。

次のページ