億単位のお金が戻った人も!(※イメージ)
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 昨年から課税が強化され、納める人が増えている相続税。一方で、いったん払った相続税を「過大だった」と修正し、税が戻ってきた人が続出している。億単位のお金が戻った人もいるから驚きだ。カギは「土地の再評価」。どんな仕組みなのか、“終活”情報をまとめた週刊朝日ムック「はじめての遺言・葬式・お墓」から紹介する。

 神奈川県の相川建夫さん(仮名・52歳)は2011年に父親を亡くし、駐車場や畑などの土地をおもに相続した。地元の税理士に相続税の算出を依頼したところ、税額は3億900万円となったため、相川さんは畑を売るなどして何とか納めた。

 半年ほど経ったある日、相川さんは友人からこんなアドバイスを受ける。

「土地の評価は専門家によって大きく違うようだ。実績のある会社に、改めて見てもらったほうがいい。相続税が戻ってくることもあるそうだ」

 興味をもった相川さん。相続税専門の税理士と不動産鑑定士が多数在籍する、東京の「フジ総合グループ」に土地の再評価を依頼した。

 すぐに専門スタッフが相川さんのもとを訪れ、相続した数カ所の土地と相続税申告書を見比べた。土地はいずれも面積が広く、「広大地評価」が適用される可能性があったのに、されていないことに気付いた。

 広大地とは、地域の一般的な宅地と比べて著しく大きな土地のこと。原則、首都圏・近畿圏・中京圏では500平方メートル以上。さらに「マンション建設に適さない」などの条件を満たし、「広大地評価」が適用されると4~6割ほど評価額が下がる。そのぶん相続税も大幅に少なくなるのだ。

 スタッフはほかにも減額要因を見つけ再計算したところ、相続税は1億7400万円になることが判明。根拠資料を約1カ月かけてそろえ、13年3月に所轄の税務署に提出した。

「相続税をすでに納めていても、相続税の申告期限から5年以内なら更正の請求ができます。そして戻ってくるお金(還付金)には、税金はかかりません。相川さんのケースでは何度か税務署とやりとりしましたが、最終的に私たちの評価が認められました」(フジ総合グループ・藤宮浩代表)

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